健さんのマフラー

お正月からいい天気が続き、今日も暖かくて、朝はコートを着ない人も多く見かけた。

今日、若手の部下二人と、ボクが信頼するチームリーダーと一緒に、夕方から汐留の取引先に商談に行き、先方のご要望を聞いて、その帰りに早速今後の動き方を打ち合わせた。
6時過ぎてたかな。日本テレビ前のタリーズ。2階か外テーブルでタバコが吸える。
2階は空いてなくて、已む無く外に4人で座り、ホットを頼み小声で明日からのアクションを打ち合わせた。

若手の一人はコートを着てこなかった。マフラーだけしていた。
風もあって、けっこう寒くなってきた。その彼は震えていた。

ボクはコートを着ていたので、思わず持っていたマフラーを彼の肩に掛けた。
そのとき、過去経験したことを思い出した。
奴はすこし驚き、感謝しつつ打ち合わせして、散会して帰ってきた。

ボクが転職した頃、35歳くらいの時だ。
直属の上司ではないが、関係する部署の上役の方がいた。大手商社から出向されてた方だ。
かなり年上でこわもてで厳しい。が、優しい。

ルックス含めて、高倉健さんのような方だ。(本当)

ボクのことを「さこやん」と呼んでくれて、大変お世話になった。
Kさんという彼は、仕事以外にも夢や仕事への向き合い方や、夜はグレンモルトウィスキーを好み、教えてくれた。
ちょーダンディなのに気さくな方だ。

ある年度の見込みで会社の実績が悪くなりそうで、会計監査人に理由説明をしなければならなくなった。
端的に言えば、売れないのに在庫も増えていた。
たしか2月か3月だったか。1月だったかも知れない。年度末を控えて除却損を出す為に、ボクは物流倉庫に出向くことになった。

その日の朝は暖かかった。
でも夕方、出発する頃には気温が下がり、とても寒くなった。
Kさんに、これから行ってくる。でもコートを忘れてきた、と話すと、
俺のマフラーを貸してやるからしていけ、と言ってマフラーを貸してくれた。

巻くと、親父臭がした 笑
でも、ありがたくそのマフラーを巻いていった。
とても温かかった。

てな事を思い出した。

今日の若手はどう思っただろう。
やっぱ、親父臭がしたのかな 笑